水平線に手が届く

鴻巣市のいじめ事件記録【誰かが被害を繰り返さない為に】

【鴻巣市のいじめ事件記録簿 No.20】

「こんなことってあるのか」──これはこのブログを読まれた方からの啞然と驚愕の感想です。市長、鴻巣市教育委員会、第三者調査委員、中学校、加害児童保護者たち…彼らが一枚岩となって、いじめ被害者の私たちを追い詰め続ける出来事の連続。「こんなことってあるのか」は、私たち自身も常に漏らし続けていた言葉でした。

 

ここまで19記事に渡って細かく経緯を書いてきて、まだ書くことがあるのです。今回は当時の担任(担任兼サッカー部顧問)について言及したいと思います。

 

ここまで管理側・体制側の不正行為に触れて来ましたが、この担任兼顧問も実質的にいじめ行為を助長させたひとりであると言えます。いじめを「助長した」という点が問題なのです。それが意図的であったとすら感じる点が幾つも存在します。

 

2021年初夏。私が市と加害児童保護者らに裁判を起こす前のこと。息子は転校を終えて、新しい中学校で誰からもいじめられることなく、心のある先生と良い友達に囲まれて充実した学校生活を送っていました。

 

この時分に私は調査と対話を通じて、担任に関する幾つかの新たな事実を知りました。一部は以前の記事でも触れたことだと思いますが、ここに改めてまとめます。

 

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<担任兼顧問の主な不正行為>

善管注意義務違反、いじめ防止対策推進法違反等に相当

 

①~(息子)が悪口を言われているのを聞いていたにもかかわらず、見て見ぬふりをして注意しなかった。

 

②サッカー部ユニフォームの件。1学期から夏休みの間、~にユニフォームを与えなかった。その理由は「1枚足りなかったから」と私に言った。しかし、合同チームの△△中(別中学)顧問の証言内容と大きな齟齬があった。担任兼顧問は意図的に~へユニフォームを与えなかったことが分かった。他に練習着の申込書も1ヶ月以上、もらえず1人だけ上下体操着だった。

 

③~が不登校中 (11月)、試合の前日17:00に部員を使い、「明日試合かあるから来るか来ないか決めるように」と連絡してきた。1ヶ月学校に行かず部活もやっていないのに、しかも前日の夕方に連絡してきて試合に行けるのか。この事を担任兼顧問にメールしたが、返信はなく無視された。

 

不登校中の~が中間テストを受けるために登校した際、何も話して来なかった。他の先生は元気か?など、~に話しかけてくれている。

 

※補足:この別室テストにおいては、教頭が息子に対して、「毎日家にいて退屈じゃない?」と聞いてきたというのです。息子は返す言葉もなかったと言いました。だったら学校に行けるようにして欲しいと心の中で思ったと言いました。

 

⑤~は転校後、担任兼顧問と部活の試合ですれ違うことがあったが、挨拶をせず、無視をされた。(その際、~は転校前の部活で一緒だった他の部員とは色々話すことが出来たが、あくまでも担任兼顧問だけはすれ違っても無視をされた。)

 

⑥~の転校時、不登校の間の部費は返金されるはずですが、これを無視した。転校後も何度か打診をしたが連絡を貰えず、最後まで返金されなかった。その後、転校から2ヶ月間が経過して、新しい教頭(前教頭とは別、彼は交代となった)から返金(4千円)の連絡があった。私が〇〇中にその返金を取りに行くと、担任兼顧問は姿を見せず、当然、謝罪もなかった。教頭に「どうして今まで返金が無かったのか」と聞くと、「預り金になっていた」と言った。大変失礼な対応だった。

 

⑦3学期始業式の日、こちらから鴻巣市教育委員会を訪ね、「学校から連絡がない」ことを訴えた。しばらくして担任兼顧問より連絡があり、息子が「~がクラスに戻りたい、勉強が心配と言っている」と言うと、「お母さん、何度も言っていますが、3人のクラス替えはできない。今は第三者委員会が入り学校の手から離れてしまっている。結果が出るまでは、〜に何もできない」と言われた。(申し合わせでもしているのか、この人たちは本当に同じ会話術を駆使して対話の道をすぐに断とうとする。ここでは「第三者委員会の調査」が常套句になっている。私が相談をして、「第三者委員会の調査」という常套句を繰り返して、それが終わらないと対応できないなどと嘘ぶく。様々な理由を付けて最後まで現場のいじめ対応を全くせず、それどころかユニフォームの件などで~を疎外する行為に加担したことを考えると、この担任兼顧問の責任は極めて重い。

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新しい教頭の話によれば、この担任兼顧問は教頭に「不登校の~にどう接して良いか分からなかったから、対応ができなかった」と言ったとのこと。その発言について新しい教頭も「どういう意味なのか‥私にも分かりません」と困惑していた。担任兼顧問は最初から最後まで、私たちの問題については他人事を決め込んでいました。勉強について相談をすると「どこか他の場所で学べるところがあると良い」と答えるような人なのです。

 

担任兼顧問がいじめ行為を助長させた大きな出来事のひとつが②のユニフォームの件です。これに関する補足として、以下に違う立場にいる教師の方との会話を書き起こします。校長と担任兼顧問が嘘をついていることがよく分かると思います。

 

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<2020年5月1日>

合同チームの顧問(別の△△中学の先生)との会話

 

私:~(息子)が体育着を着ていたことをご存じだったと思うんです。

先生:はい、そうですね。

私:先生から~に「I先生(担任兼顧問)にユニフォームを貰うように言いなさい」って言っていただいたと聞いたのですが、覚えていますか?

先生:はい。キーパーをやりたいってことで、「それもI先生に伝えたの?それも伝えてユニフォームちゃんともらいな」と~に伝えました。

私:上下体操着でうちだけ練習着の申込書も貰えていなかった。

先生:そうみたいですね…

私:期限切れの申込書を貰いました。7月末期限の申込書を8月末に買いました。

先生:8月末?そうなんですか…

私:先生がI先生に「◯◯中は◯◯中でユニフォームを用意してやってくれ」と伝えたって、おっしゃってましたよね?

先生:そうですね。私たちの方で〇〇中学のユニフォームは用意出来ないので。△△中のユニフォームと色が違います。キーパーのユニフォームは〇〇中学校しか準備が出来ないので、準備してあげて下さいとI先生に伝えました。

私:ユニフォームは〇〇中にあって、△△中では保管しない?

先生:そうです。現在は〇〇中のユニフォームを借りて試合に出させて貰っている形です。

私:サッカー部は人数が少なかったですけど、合同でレギュラーってあったんですか?(※他校に貸し出す在庫があるのに、担任が息子にユニフォームを与えなかった事実が分かり、この時点で担任兼顧問に揺るぎない嫌疑が生じている。ただし、もしレギュラーだけにユニフォームを渡すという条件があるのなら、この措置には根拠があるかもしれないと思い、こう質問した。)

先生:レギュラーですか。そこは私たちは特に決めてないです。部活にちゃんと出席した子、学校生活をきちんと送れている子を出したり、配慮しながらやっています。

私:(息子の)部活の様子はどうでしたか?

先生:よくやっているイメージしかないですね。一生懸命頑張っているっていうのが印象的でした。

 

(※補足:鴻巣市側の資料によれば、「2019年9月10日、担任が△△中保管のユニフォームを準備し渡すことを、A母(私)に約束する」と書かれていました。この「△△中」の存在は、鴻巣市の資料といじめ調査報告書に突如として現れた存在で、私たちはまったく寝耳に水でした。私たちはそれまで彼らから「1枚足りなかったから、〜君にユニフォームを渡せなかった」という話しか聞いていませんでした。これを受けて、私は上述の通り、△△中の顧問に確認することにしました。すると案の定、市の資料といじめ調査報告書、学校側の一方的な見解がすべて嘘であると判明しました。)

 

(※補足:彼らが「△△中」を登場させた理由は、「担任兼顧問が意図的にユニフォームを息子に渡さなかった」という明らかな不正行為を、「△△中が保管していたので渡せなかった」という物語に修正したいからです。調べればすぐに分かることなのに、私たちが何もしないと思って、あるいは何かしても大した騒ぎにはならないと侮って、このような自分たちに都合の良い嘘をいとも簡単につくのです。)

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様々な方の話を聞くと、クラスで弱い立場にある子を、問題が露呈しない程度に巧みに疎外して憂さ晴らしをするような教師の方もいるということでした。このような教師のおぞましい点は「巧みに行う」ということです。教師が暴力を振るったり、暴言を吐いたりしますと、そのような直接的な不正行為はすぐに発覚をします。しかし、「ユニフォームを与えない」というやり方はどうでしょうか。「1枚足りなかったから」などと適当な理由をつければ、長期間に渡って憂さ晴らしを行えます。しかも、それがすぐに問題になる訳ではありません。

 

ただ一言、あまりに卑劣です。

 

小学校から息子をいじめていた加害児童Aと、この担任兼顧問のいじめのやり方は同じなのです。加害児童Aは息子に対して日常的に暴力を振るっていましたが、周りの大人たちに知られないよう(ずっと長くいじめ行為を楽しみ続けられるよう)、決して肌が見える場所を殴ったり、蹴ったりはしなかったのです。お腹や心臓のあたりなど、洋服を着ていれば誰からも見えない位置に暴力を振るい続けました。担任兼顧問も同じで、ユニフォームを与えないという周囲からは見えにくい場所を狙い、いじめを長く楽しんでいたとしか思えません。

 

もうひとつ、付け加えておきます。中学校の校長、鴻巣市教育委員会、そして担任兼顧問らは、この事件があってから加害児童側にしっかりと寄り添ってあげていたようです。

 

息子に暴力と暴言のいじめ行為をずっと行っていた加害児童側に対して、校長、教頭、鴻巣市教育委員会らは、この事件があってから彼らにしっかりと寄り添ってあげていたようです。「(この事件を)経験として、これから学校生活を頑張っていきましょう」などと、温かな配慮の言葉を送っていたという記録があります。

 

また、その3名の中で特に高校受験の内申を気にしていた加害児童と保護者がいました。鴻巣市教育委員会はそれを受けて、「内申にいじめのことは書くものでない」と彼らの立場を慮った内容を話したそうです。これは想像を絶する”配慮”であると言えます。

 

そのような温かな配慮を、私たちは一度もいただいたことはありません。私たちは転校後も何ひとつの言葉を掛けてもらっておらず、彼らからは嘘まみれの報告書を郵送で送り付けられただけです。そして、転校後に息子とすれ違っても、担任兼顧問は挨拶のひとつすら掛けず、無視を決め込むのです。転校の日は姿も現しませんでした。(校長もです。)

 

それでいて、この担任兼顧問は鴻巣市教育委員会などから指示を受けると、その時だけは反応して、その一瞬だけ電話を私に掛けたり、プリントを持って来たりしました。前の記事でも書きましたが、この人も「弱きを挫き、強きに媚びる」という不誠実な教育者だということでしょう。

 

「こんなことってあるのか」──こうして振り返ってみても、私は驚くばかりです。

 

教師の人手が不足している時代だとは言え、人の心を持たない人が教壇に立つという状況は、許してはならないと私は思います。

 

(次回へ続く)