水平線に手が届く

鴻巣市のいじめ事件記録【誰かが被害を繰り返さない為に】

【鴻巣市いじめ事件の記録No.5】

いじめにより、息子は不登校となりました。学校から連絡がひとつもなく、学習についての支援などもなく、息子はずっと不安が続いている様子でした。

 

私はとにかく、息子がこれ以上不安を覚えないように、まず学習の基盤を作らなければならないと思いました。本当であれば学校側に相談したかったのですが、サッカー部顧問兼担任の先生は、以前の話し合いの際に「どこかほかで学べるところがあると良いですね」と他人事のような発言をしていました。私は塾を探し、息子も「近くなければ行く」と言いました。

 

学習塾は近くにもありましたが、一駅隣の少し遠い場所を選びました。だいたい私の住んでいた周辺の家では近くの学習塾に通うので、息子がそこに行くといじめを行った児童たちと鉢合わせする可能性があったからです。

 

その塾長先生に「不登校中、テストはどうすれば良いでしょうか」と聞きました。塾長先生は真剣に悩んでくださって、「とにかく成績がつかないと高校受験に影響するから、テストは受けさせてもらった方が良い」というアドバイスを受けました。

 

後にも、この塾長先生は息子に「13時から塾が開いているから、学校の時間割を持っておいで」と言って下さったり、息子の中学の授業の進み具合を他の校舎にいる在校生に聞いて下さったりと、不登校の息子の状況を様々な面から気遣って下さいました。

 

こちらの塾長先生のアドバイスを受けて、私から学校に電話をして、テストを受けさせて欲しいとお願いをしました。この時点まで、学校からはやはり提案も報告もありませんでした。

 

息子はテストを受ける為に、テスト期間中だけ学校に登校しました。この期間中、せめて加害児童3名をクラスから別室に移して貰えれば、息子はクラスで他の子と同じようにテストを受ける事が出来ました。しかし、学校側は被害者である息子を別室に移す指示をしました。私たちはテストを受けさせてもらう為、それに応じるしかありませんでした。

 

後日、学校が作成した記録によると、この当時の出来事は次のように書かれています。

 

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<学校側の記録>

10月10日(木)

・~(息子)の保護者から中間テストを受けたいという連絡が入った。

・学校は~(息子)のテストを別室で受けさせる体制を整えた。

・学校は再発防止に向けて生活の見直しやいじめについて全体指導を行った。

 

10月11日(金)

・中間テストでは、~(息子)特に変わった様子はなくテストをしっかりと受けていた。

・校長は給食をもりもりと食べていた様子を教頭、学年主任から聞き、安堵した。

・校長は学校として、学習保障などできる限りのことをやるよう学年主任に指示した。

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この学校側の記録を目にして、私は数々の疑問が浮かびました。

 

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①中間テストでは、~(息子)特に変わった様子はなくテストをしっかりと受けていた。

→そもそも息子は別室でひとりでテストを受けている訳ですから、「変わった様子」がその場で見受けられる訳がないと思います。

 

⑤校長は給食をもりもりと食べていた様子を教頭、学年主任から聞き、安堵した。

→ここで用いられている「もりもり」という副詞の表現に、どのような意味があるのでしょうか。「もりもり食べていた=息子がいじめを受けても元気でいる?」といった強調をしたいのでしょうか。そもそも、「別室でひとりで給食を食べている息子の様子を伝え聞いた」事で、校長は何を安堵出来るのでしょうか。学校側が敢えてこの記述を行った意図が分かりませんでした。

 

⑥校長は学校として、学習保障などできる限りのことをやるよう学年主任に指示した。

→この記録の中に突然出て来た記述です。ここで何を指示したのかについては、具体的な記述はありません。少なくとも、私たちは前述の通り、この時点までに学校側からの「学習保障」などの対応は頂いていません。

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ここまでの時点で、私たちは担任から次のような対応を頂いていました。

 

・"机に掛かっていました"という付箋と一緒に、歯ブラシを1本だけ入れたB4の封筒を投函される

・自宅に立ち寄られ、給食メニュー表や部活のスケジュール資料を渡される

 

この対応は数日間続きました。その際、授業のプリントや学習の指示などに関する対応は頂けず、自宅にいる息子への声掛けなどもありませんでした。何よりも肝心ないじめ調査と対策については、その見通しに関して何の報告も相談もありませんでした。私はこの立ち寄りによってますます懸念を抱きました。

 

「学校側はこの意図不明な自宅への立ち寄りを家庭訪問と定義して、いじめ対策をしていましたと主張するつもりではないだろうか」「このまま何もかも有耶無耶にされてしまうのではないだろうか」という不安な気持ちが湧き上がりました。そして、担任に「もう来ないで下さい、それより学校に行けるようにして下さい」と伝え、訪問を辞めて不登校解消の為の具体的な対策をして頂くようにお願いをしました。

 

不登校解消の為の具体的な対策が難しいものだったかと言えば、決してそのような事は無かったはずです。息子は一貫して「いじめを行った子たちのいないクラスに戻りたい。他の子からは何もされていない。」と言っていました。ですから、「暴力や暴言などがあったかを調査し、その調査が確認が取れたら加害児童のクラス替えを行う」という対策さえして頂ければ良かったはずです。後に明らかになる事ですが、学校側はその調査すら十分にしていませんでした。

 

ここから、いじめ問題とその学校の対応を巡る問題が、いよいよ深刻になっていきました。

 

(次回に続く)

 

※追記:ブログの記事を投稿し始めてから2週間程度となりました。良識のある皆様から多くのご理解・ご支援の声を頂いていると聞いております。私たちのことを慮って下さる皆様に深く深く、感謝をいたします。公にする文章なので気を引き締め、事実を公平に示せるよう、懸命に文字を綴っています。当時のことを思い出すと今でもとても苦しく悲しくなりますが、それでも他の方が同じような被害に遭われないよう、最後まで何とか書ききろうと決意しております。引き続き、何卒宜しくお願い致します。