水平線に手が届く

鴻巣市のいじめ事件記録【誰かが被害を繰り返さない為に】

【鴻巣市いじめ事件の記録No.8】

11月中旬、校長からの回答として、弁護士から「11月21日から(息子)が学校に行けます」と連絡がありました。その校長が決定した内容というのは、次の通りでした。

 

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・加害児童3名が他のクラスになる

・2年生に進級するまで、加害児童3名をもとのクラスに戻さない

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これを息子に話すと、学校に行くこと、友達に会えること、部活をやることを楽しみにしている様子でした。部活については、例えば「自分の外周(練習中に行うことになっているグランドのランニング)が何周貯まっているんだろう」と言いました。私が「おまけしてもらう?」と答えると、「いや、貯まっている分走る。あいつら結構厳しいから。」と前向きに話してくれました。

 

しかし、11月19日夕方になっても学校から連絡がありませんでした。私から学校に連絡しました。すでに息子が不登校になり50日過ぎている事もあり、そのまま息子がクラスに行って良いのか、それともまず教職員室などに行くのかも分かりません。

 

私から学校に連絡をすると、教頭先生からの対応を受けました。

 

「11月21日から学校に行けるんですよね?加害児童が他クラスに移動すると聞いていますが、合っていますよね?」と私は質問しました。すると教頭先生は何か含みを持たせるような調子で、素っ気なくこう言いました。「弁護士さんにお話ししていますから、弁護士さんに聞いて下さい」。もう一度、私が「息子は学校に行けるんですね?」と聞きますと、教頭先生は「はい」と短く渋々といった調子で回答しました。

 

また、教頭先生は「明日、学年集会を行い、いじめについての話をする」と回答しました。「私もその集会に立ち会いたい」という旨を伝え、いったん電話が終わりました。

 

その後、校長先生から電話がありました。「加害児童3人を2週間、別室対応する。2週間後にまたもとのクラスへ戻す」と言ったのです。

 

当然、私は弁護士から聞いていた内容と異なることを伝えました。すると、校長はこれを弁護士に「話して」、弁護士から2日間連絡がなかった(反論がなかった)ので、弁護士から了承得たものと思った、と言いました。市の資料によると、校長はこの別室対応の対策へ変更について事前に私の弁護士に伝えていると記されています。しかし、弁護士ははっきりと、その事実を私の言葉(11月19日)で初めて知ったと断言しています。

 

というよりも、これだけ大切な決定について、「弁護士が何も言わなかったら、オーケーだと思った」などと言う弁明が社会の通念上、通じるはずがありません。要するに、ここでは校長が自分たちの都合による決定変更の責任を回避するために、私と弁護士の意思疎通が出来ないことが問題の原因だと仕立て上げたのです。

 

この電話を終えた後、弁護士に内容を伝えた所、先ほど書いた通り、弁護士もそのような校長の突然の決定変更に驚いた様子でした。「"2週間対応"というのは、今初めて(私から)聞いた」という事でした。私も息子も明後日から学校に行ける、ようやく一歩前進出来ると思っていたため、息子にとても申し訳ない気持ちになり、本当に大変なショックを受けました。

 

その後の鴻巣市の資料で分かった事ですが、校長は「相手の保護者から、他クラスへのクラス替えではなく、別室対応にして欲しいと要望があったから」という理由で決定事項を急に改変しています。その保護者は「今回の措置は重過ぎる」と言い、それを校長はそのまま受け入れたのです。被害側の私たちには何の相談もありませんでした。

 

どうしてその「相手の保護者(加害児童の保護者)」は校長の決定を変えさせるような力を持っているのでしょうか。またなぜ校長は、被害者側の私たちのお願いではなく、加害者側の保護者の指示を優先するのでしょうか。

 

この疑問については、その背景が徐々に明らかになっていきました。その後、加害児童の保護者もまた代理人(弁護士)を立てていました。こうして、一度は決定した「加害児童のクラス替え」は、校長の一存によって勝手に変えられてしまいました。

 

この校長による決定事項の改変騒動の出来事について、改めて簡単にその時系列をまとめます。

 

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①校長から弁護士へ:「加害児童のクラス替えをする。元のクラスには戻さない。」

②弁護士から私へ:「加害児童のクラス替えが決まりました。登校できます。」

③私から教頭へ:「11月21日に加害生徒がクラス替えになって登校できるんですよね?」

④教頭から私へ:「答えられない。あなたの弁護士に聞いて。」

⑤校長から私へ:「加害児童は2週間だけ別室対応。クラス替えはしない。」

⑥私から弁護士へ:「校長が別室対応と言っていたが本当でしょうか?」

⑦弁護士から校長へ:「あなたは別室対応と言ったらしいですが本当でしょうか?」

⑧校長から弁護士へ:「そうです。加害児童3名は2週間後にもとのクラスに戻します。」

⑨弁護士から私へ:「私は初めて聞きました。校長はクラスに戻さないと言っていました。」

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この事実の時系列のまとめを踏まえまして、次の話は、この騒動に関する市の資料の記述です。

 

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  1. 校長は最初から加害児童の別室対応を弁護士に告げていた
  2. 校長は弁護士に別室対応の期間の目途を「2週間」と伝えていた
  3. 〜(息子)保護者から「11月21日はいかせられない」と拒絶された
  4. 中学校側は、通知人(私)と代理人(弁護士)との意思疎通がうまく図られていないようで大変困惑しており、学校としてどう対応したら分からない状態だった

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1番と2番は完全な虚偽と捏造です。3番の経緯は先ほど述べた通りで、ずっと私たちがお願いをしていたクラス替えを勝手に「別室対応」としたので、いじめが再燃する事を懸念して「その対応はおかしい」と私は言いました。それがまるで、私が学校側のいじめ対策を拒絶したとでも言うような書き方をしています。4番も校長の決定変更を私と弁護士の意思疎通が出来ていない事が原因であると、こちらのせいにされています。弁護士はこの意思疎通云々の話について、校長から一切話はなかったと言っています。

 

他の個所でも、鴻巣市教育委員会が作成した資料は虚偽、捏造、印象操作の"悪意ある嘘"が書かれていない箇所を探す方が難しいぐらいです。例えば、この11月~12月に中学校が行った活動として、次のような事も書かれています。

 

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・校長、生徒指導主任、各学年の生徒指導担当、養護教諭、スクールサポーターが、別室対応に対する問題について、学年を越えた組織で対応することを確認した

鴻巣市教育委員会が今回いじめについて詳細な調査を行うための「いじめ調査委員会」を立ち上げることになったので、学校としてはその指示に従って調査に協力し、その調査結果を書面で回答することとした

・調査の進め方については、委員会で審議した後あらためて説明する予定とした

・弁護士が保護者(私)との意思疎通の齟齬を認めた

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「スクールサポーター」、この報告書で初めて目にした単語でした。そのような方が学校にいるとは知らず(そもそも存在するのかどうかも不明)、もちろん何かの学習支援やいじめ対策の話し合いことは一度もありません。"調査結果を書面で報告する"、"調査の進め方を説明する"とありますが、こちらも一度たりともありません。そもそも、この「いじめ重大事態」の件も報告をいただいていません。調査委員が誰かも知らず、後になって、急に私たちの聞き取りの日時が一方的に知らされただけです。そして先ほども触れましたが、弁護士は校長から、私との意思疎通云々の話は一切なかったと言っています。よって、「弁護士が~認めた」は完全な虚偽です。

 

この"弁護士と私が意思疎通が出来ていなかった"ということは、到底ありえません。というのも、私たちの主張はあきれるほどシンプルなものだからです。「①いじめを認めて、②加害児童3名のクラス替えをして、③息子の不登校を解消して欲しい」という、ただそれだけの主張です。どうやったら、私と弁護士の間で意思疎通ができなくなるでしょうか。(当然、弁護士も自らの職務に係る重大な事項なので、この記述を完全に否定しています。)

 

私は市、学校からこう今も言われ続けています。「校長が決定した事を母親が拒否したため、~(息子)の登校の復帰ができなくなってしまった。」つまり、彼らは息子の不登校の原因が母親にあると言い続けています。

 

鴻巣市教育委員会が主導し、小学校、中学校、調査委員と連携して作成したという報告書は、嘘まみれなのです。しかも、懸命に誤りを訴えても、相手は「これが正しい」「再調査は不可能」と一蹴するだけです。私の怒りと悲しみがどれほどのものか。彼らはその人の痛みを想像できないに違いありません。

 

教育関連の活動をされているNPOの方が、埼玉県教育委員会に調査報告書の内容に関する異議を伝えてくださり、その埼玉県教育委員会から鴻巣市教育委員会に話が下りました。こうして、私と鴻巣市教育委員会の面談が決まりました。(このトップダウンの指示があるまで、鴻巣市教育委員会は一貫して『調査報告書が出来上がった後だから、もう~(私)への対応は一切しない』と、すべての対応を拒絶されました。)

 

そもそも、いじめ重大事態のことが決まって、調査委員が立ち上がったことについて、どうしてその最たる被害者である私たちに通知がなかったのか。私は鴻巣市教育委員会の人物にこの質問を投げかけると、相手は「あなたの弁護士に伝えた」と回答しました。私が「その書面はありますか?」と聞くと、相手は「書面はない。口頭で伝えた。」と言い切りました。"「口頭」で、「いじめ重大事態の公式調査の開始」を伝える”などというのは、こちらも有り得ない話です。

 

弁護士の方は、前にも別地域でいじめ・不登校の案件を担当されたことがあり、その際は学校側も市教育委員会も善意があって協力的だったので、問題なく話が進んだと言っていました。しかし、「鴻巣市教育委員会や今回の中学校はまったく違う」と、弁護士の方は言っていました。

 

「いじめは存在しなかった」「学校側に責任はない」──鴻巣市教育委員会とその仲間たちが手を取り合って作成した嘘だらけの報告書により、私たちは深い心の傷を受けることになりました。

 

(次回へ続く)