水平線に手が届く

鴻巣市のいじめ事件記録【誰かが被害を繰り返さない為に】

【鴻巣市いじめ事件の記録No.13】

公平性と透明性を持たなければならない調査委員会(第三者調査委員会)にどのような忖度関係があったかは不明ですが、彼らが結論ありきのいじめ調査を開始して、私たちの立場はますます苦しいものになっていました。

 

そして、中学校の態度もますます硬化していました。これまでも息子のいじめと不登校を看過するどころか、それを助長するような決定のくつがえしなどを行ってきた中学校でしたが、調査委員会が立ち上がったこの段階に来て、学校側は「今、第三者委員会で(いじめの調査を)やっているから、学校の手から離れてしまっているので何も出来ない」という言葉を常套句のように繰り返すようになり、ますます何ひとつの対応もしていただけなくなりました。

 

一般的に調査報告書が出来あがるまで時間が掛かると言われています。その結果が出るまで学校は対応しないで良いという事なのでしょうか。いじめの調査と対策はまったく別の行為であり、調査中は対策をしませんという理屈は本当におかしな話です。

 

こうして10月から、加害児童3名からのいじめによって不登校が続いていた息子は、そのまま復学が出来ず、そのまま2学期の終業式を迎えてしまいました。

 

この時分、12月23日の2学期終業式の前日、成績表配布という区切りの日、教頭と私は電話でのやり取りを行いました。このやり取りが、まさにその学校の道理に合わない理不尽な対応姿勢を証明する内容となっています。以下がその実際の会話記録です。(※なお、鴻巣市は意図的にこの会話の事項を資料から除外していると思われます。私はこの時の学校側の記録を提出するよう司法的な請求を行ったのですが、「保有個人情報不開示:保有をしていない」として却下されました。)

 

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2019年12月23日(電話対応)

 

私:この前、〜先生(担任)が"Cに注意した”って言ったんですよ。うちが最初に行った時に。

教頭:はい。9月ですよね。

私:その時に"他の子の件もあったんで”って言ったんです。〜先生が。

教頭:はい。

私:"他の子の件”っていうことは、うち以外の子もいじめられていたんですか?って聞いたら、「はい、そうです」って言ったんです。

教頭:はい。

私:いじめる子って決まっているんじゃないですか?

教頭:そういういじめっ子のような子もいれば、いくらなんでも限度があるっていう部分で、その限度を超えてしまっている子もいると思います。だから、その子はいじめっ子というとらえ…何ていうんですかね…

私:いろんなことがあるってことなんですか?

教頭:実態として、残念ながらそういうことであります。

 

 

教頭:今、そういう状況で明日2学期の終業式を迎えてしまうわけなんです。

私:どうなるんですか?成績だって…

教頭:一つは、やっぱり3学期ですね。

私:だけと実技なんかも先生かやってくれないじゃないですか?体育や音楽…

 

(※補足:成績表の体育、音楽は空欄の状態でした。学校側はそこに評価を付けると1になると言い、その空欄は”配慮”であると言いました。一般的に不登校児童に対する”配慮”とは、休んでいる間の学習支援を行う事であり、これは体育や音楽なども同様です。学校側はその一切の”配慮”を行なっていません。また、英語、数学は塾に行っていた為、息子はテストで平均点以上の成績を得ていましたが、授業を受けていないという理由で、「評価は”2”しかつけられない」と言われました。)

 

教頭:なので、別室で対応しますので。

私:クラスに戻したいんです。

教頭:もちろんです。

私:だから何で3人を反省させないんですか?だって他の子もやられてるって言ってるじゃないですか?他にも嫌な思いしている子がいるのに、何でいじめる子達を(クラスに)置くんですか?

教頭:それは何でもかんでも子供達を排他するって…

私:排他じゃないでしょ?反省させる機会を与えなきゃいけないでしょ?

教頭:それが(3人を)別室対応というのは行き過ぎです。

私:じゃあ、いじめられてる子はおびえながらその教室にいなきゃいけないのですか?

教頭:いや、すぐそういうのは指導しますから。

私:指導するっていったって今まで指導していないから、~(息子)はこうなってしまったわけですよね?

教頭:お母様から10月1日にその話を聞いてすぐ指導したじゃないですか。

私:10月1日って何ですか?(※補足:私は2学期始業式の日に、「息子がCからいじめれているから学校に行けないと言っているので、休みます」と学校に欠席連絡をしています。しかし、中学校、調査委員、鴻巣市教育委員会らは、息子が初めていじめを訴えたのは「10月」と記しています。)

教頭:もう話が長くなりますので…3学期別室で…2年後に高校入試もありますから。今回のことで、高校とかに行けなく…

私:充分、今だって影響あるじゃないですか?

教頭:もちろんゼロじゃないと思います。今回の2学期の件、大変申し訳ないんですけど我々としても大きく影響しないように頑張った分評価させてもらってますし、【3学期それを取り返すことも出来るんです。(※この言葉は後に重要な意味を持ちます。)】全く影響ゼロではないです。それは本当に~君につらい思いさせてしまっていますし、評価にも影響ゼロではないんですけれでも。

私:3学期別室に行って、それこそ2年になるまで待てっていうんですか?

教頭:いえ、だから。【それがいつになるか分からないし、】早いことを我々も願ってます。

私:あと、聞きたいんですけど、あの3人の家はどういう対応しているんですか?これだけ~が休んでいることを知っているんですか?

教頭:もちろん、知っています。

私:知ってて、知らんぷりですか。

教頭:お母さん、代理人も立てちゃったし、どうすればいいんですか?(※あたかも私たちが弁護士に相談したことが何か問題があるといった言い方ですが、この段階で加害生徒側も弁護士を立てていたことが、市の資料に記されています。教頭はそれを知っていたにも関わらず、なぜ私だけこのような非難めいた言葉を向けられてしまうのでしょうか。)

私:今まで向こう(3人)から何も言って来ないじゃないですか?これだけ休んでいるのに自分達のせいでこうなっているのに親が知らんぷりしているじゃないですか?

教頭:いや、全然していないですよ。弁護士や警察に3軒は呼ばれて行っています。3軒の家の人達は警察にもこういうふうに解決していきたいとか、謝罪の意もあるとか、話し合いたいってことを警察にも言っていますので。(※私はいじめ行為の中に暴力もあったので警察に相談しましたが、この時点で被害届を出していません。)

私:警察から何も聞いていません。

教頭:全て警察は記録しているでしょうし。

私:それは誰に言ったんですか?

教頭:お母さんが警察に行ったから呼ばれたんじゃないですか?

私:何も聞いてません。

教頭:10月中旬あたりに警察に呼ばれてますね。3軒は。十分対応してると思うんですよ。その件について断わることも出来ますから、3軒は。精一杯出来ることを。警察に出向いて話もしていますし、この件については対応してます。

私:~が学校に行けるようにしてくれないと、彼ら反省しているんだったら、自分達から教室を出ればいいじゃないですか?

教頭:分かりました。教室から出るっていうことを強要することも。

私:出来ないでしょ?

教頭:出来ないですし。

私:出来ないからこうなって(~が不登校になって)いるんじゃない。

教頭:はい。でもそれはもう、じゃあ、【しばらく出来ないと思うので。】【もう、しばらく出来ないと思います。】

私:どういうことですか?

教頭:私の権限じゃ出来ないし、話が元に戻ってます。明日の通知表の件はどうしましょうか?

私:もう分かりません。

教頭:今3人の子達を別の部屋には今すぐには出来ないことだし、【それだけが目的であれば、多分もしかしたら戻って来れないかも知れない。】

私:何ですか?戻って来れないって?

教頭:要するに【いつになっても戻って来れない。】

私:~(息子)がクラスに戻れないってことですか?

教頭:【はい。】

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そして教頭の最後の言葉は、揺るぎない決定事項とでも言うような自信たっぷりの言い方でした。「~(息子)はクラスに戻らせない(加害児童はずっと今のクラスのままだ)」と、ここではっきりと断言されたのです。ショックとしか言いようがありませんでした。何をどうすれば良いのか分かりませんでした。

 

そしてもうひとつ、この教頭との会話の中でとんでもない「嘘」が存在しています。それが警察と加害児童の保護者らに関する話です。先ほど書いた通り、教頭はここで私に対して「加害児童3名の保護者らは鴻巣警察に呼ばれて行っている」「彼らは十分に対応をして、謝罪をしたい、話し合いをしたいという意向を示している」と言っています。これは「嘘」でした。

 

2020年1月3日、鴻巣警察にこの件で確認を取りました。警察側は「加害児童の保護者らを呼んでいないし、来ていない。」「記録に無い」と言いました。警察の方は、保護者らが私たちに謝りたいと聞いたなら、私に連絡をしているはずだと言いました。また、鴻巣市教育委員会はこの教頭とのやりとりの内容は保有していないと言いました。彼らにとって都合の悪い資料がなぜかいつも、存在しなくなります。

 

私が録音データを撮っていなかったら、この件はどのように処理されていたのでしょうか。その場合、後になって私が「こう言いましたよね」と指摘したら、「記憶にありません」「分かりません」という言葉を繰り返して言い逃れをするのでしょうか。

 

鴻巣市教育委員会、調査委員、中学校の校長と教頭…嘘まみれの人たちの思考や倫理の在り方は、どうなっているのでしょうか。これは改めてよく考えてみても、本当に恐ろしい事だと思います。

 

またこの時期の出来事に関して、鴻巣市教育委員会の報告書は次のような記述を行なっています

 

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<保護者への説明>

・いじめにより不登校になった生徒の教室復帰を第一に考え、いじめ防止対策法に則り、いじめた生徒を一定期間別クラスに移動させる措置を【講じた】。

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ここで中学校は「我々は加害児童を別室に移動させました」と、平然と書かれているのです。もはや改めて経緯を書くまでもないと思いますが、学校側はクラス替えを決定しましたと言って次の瞬間には実行せず、最初から加害児童の別室対応が決定していましたと言った後にそれも実行しませんでした。彼らはそれを【講じていない】のです。

 

「一切やっていない事」を公的文章に記載し、飄々と嘘をつくのは断じて許すことができません。そして終いには、先ほどの通り、教頭が「息子をクラスに戻さない」と言い切りました。

 

こうした状況で──息子は急に「2学期も最後になるから、クラスに3人がいなければ、終業式にみんなと出たい」と言いました。(今思えば、息子は学校側の反応を見て、自分の決意を固めようとしていたのかもしれません。)

 

私が息子の言葉を教頭に伝えると、教頭は「体育館の後ろのほうから式を見るなら良い」と言いました。息子にそれを伝えると、「それなら行かないのと同じだ」と言いました。この瞬間、息子はひどいいじめを自分に行い続けた3人のクラス替えが絶対に行われないということを確信したのです。何もかも諦めたような口ぶりでした。

 

そして、私たちはこのような会話をしました。

 

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2020年1月3日

 

私:サッカー部には何て言ってほしいの?

息子: (学校に)行っていない理由はいじめられていて学校行けなかったんだって伝えておきたい。

私:それで良いの?

息子:うん。先生に言っておいて。

私:(先生がそれを)言わなかったらどうなの?

息子:無断で休んでいると思われる。アイツさぼってるって思われる。

私:それが嫌なの?

息子:サッカー部でもいじめられるかもしれないし。だから言っておいて。

私:クラス(クラス替えの件)は?

息子:クラス替える。自分がクラスを替われば良いだけの話。

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せめてサッカー部の皆だけにでも、自分がクラスを替えてもらい、学校に行って部活に戻ることを、事前に知って欲しかったのだと思います。

 

しかし、この息子の苦しんだ末の決意、「自分がクラスを出る」という選択も、学校によっていとも簡単に踏み潰されてしまいました。

 

(次回へ続く)